愉々しき雑録

愉な記憶を徒然な感じに残してゆこうかと

ZaccoFryFishingへの道 

あまり釣りにいかないこの季節
いつか文字におこそうと思っていた
『なぜZaccoFlyFishingに傾倒したのか?』
を 語りとしてここにしたためようとおもう

本文中の写真はこれまで自分が撮影したサカナたちで文脈とは関係なし
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雑魚との戯れの記憶は小学校低学年までさかのぼる
祖父は多摩川で毎日釣りをしているような人だった
40年前の多摩川には今とは比べようがないほどの魚がいた
一番多かったのはウグイ 次にオイカワだった

おいかわ6(盛期に婚姻色を呈したオイカワ♂)

祖父が得意としていたのは タタキ という釣法
13尺の振出竿に天井糸 道糸 ハリスを直結し 
カエシをつぶした袖針のフトコロにオレンジのプラビーズをつけるという
いたってシンプルな仕掛けを用いる

おいかわ3(盛期の色づき前のオイカワ♂)

適当な瀬に陣取り さなぎ粉と糠とスイミーだったか?
そんなものを混ぜた寄せ餌をうって
真っ黒になるほど集まってきたウグイとオイカワの群れに
ビーズ針を打ち込んで釣あげる一本釣りのような疑似餌の釣りだった

おいかわ5(秋口に婚姻色の抜けてきたオイカワ♂)

うちのあたりでは
ウグイは“ハヤ”と呼びオイカワは“バカッパヤ”と呼ばれていた
“バカッパヤ”とはオイカワが酸欠や雑な扱いですぐに弱ってしまう様子から
彼らを愚弄した呼び名だった
そんなあだ名をつけられるくらいだから ウグイのほうが格付けとしては上
のような偏見を生じさせていたことは否めない

子供らの釣りにおいても第一対象魚はウグイであり
オイカワは「ちぇっ」といわれる類のものだった
祖父はハヤを好み バカッパヤは雌だけを調理していた
(婚姻色のオスは旨くないといっていた)

うぐい1(ウグイ婚姻色なし性別不明)

調理といってもメインは丸干し ハラワタを取り除き乾かして
常に大量ストックされ
学校から帰ってきた自分にも ソレを炙ったものがおやつとしてだされていた
自分にとって味はオイカワのメスが一番おいしいかった記憶はある

うぐい2(ウグイ婚姻色呈♂)

そんな幼少の環境で育ち 魚に興味を持つようになる
祖父のタタキ釣りは河原では名人と呼ばれるものだった
その手ほどきを受けはしたが 釣果は到底及ぶはずもなく
それでも 学校に行く前の小一時間 川に同行して練習した記憶は残っている

おいかわ7(自分的ベストショットなオイカワ♂)

自分が中学に上がったころにはあまり祖父とは釣りに行かなくなった
釣りの興味もルアーフィッシングに移りつつあり
ハヤたちを釣ることはめっきり減った
多摩川のウグイとオイカワは理由はわからないが年々減少していた
祖父の得意としていたタタキ釣りも それを成立させる要素となるサカナの絶対数
が確保されなくなったことから 練りえさを使った吸い込み釣りにかわり
それでも 祖父はハヤと総称される雑魚たちの釣りを愉しんでいた
この頃には食べる釣りではなくなっていたが...

おいかわ4(濃い婚姻色を呈するオイカワ♂)

大学は静岡で 多摩川とは離れた時間を過ごした
それを機に
自分の釣りは学生生活で貴重な食料を得るための海釣りと 
流行だったブラックバス となった
ブラックバスの釣りではウグイやオイカワはベイトフィッシュと呼ばれる存在
ブラックバスを効率的に釣るため 雑魚たちのシーズナブルパターンなど生態を調べたりした
これが 今のオイカワを追う釣りに役に立つことになろうとは


おいかわ2(オイカワと現在の愛竿)

大学を終えて実家に帰り就職
その後 長男が生まれ 成長にともない
お手軽な遊びとして歩いて多摩川に釣りに行くようになる

その時の遊び相手が ウグイとオイカワ中心だった
しかし その魚影は 自分が子供のころとは比較にならないほど少ない
寄せ餌をまいて集まる魚影のまばらさはもはや衝撃的といえる状況だった

かわむつ4カワムツ♂)

そして このころ 
湖産アユの放流に伴い 入り込んだカワムツ という魚が
ウグイとオイカワに混じってたまに釣れることを知った

その後 年々カワムツは優勢化し
数年後にはカワムツが珍しくなくなった
大きさも15㎝以上のものが結構目についたしよく釣れた
また カワムツがルアーで釣れることも知って 狙ってみたりもした
このころの自分のメインの釣りは多摩川本流・支流のヤマメ
それらをルアーで 特にミノーで仕留めることに興味の中心があったので
カワムツをルアーで というのも当然の流れではある

かわむつ3(カワムツ♀)

だが カワムツくらいのサイズを魚をルアーで狙って 
トラウト用のウルトラライトロッドを使っていても 
その魚体サイズに対しロッドのオーバーパワー感は否めない

そこで マス類管理釣り場で遊ぼうと練習を始めていたフライフィッシングタックルをもって
川に行った
初めて川で 練習がてら振ったフライ
ろくなキャストもできていなかったが 水面を流れるエルクヘアカディス#14に
カワムツ が出た
水面を割りフライに飛びついたその様子はアグレッシブそのもの

この時のカワムツ 正確に測ってはいなかったが 22㎝程度あったはず
「こんな魚が 釣れるのか!」
この驚きが 今のZaccoFlyFishingへの誘い のルーツ
(今現在もこの推定22㎝を超えるカワムツは釣れない 
 20㎝位のカワムツは近年見たことがない 現状の最大は18.5㎝
 繁殖も国内外来種として定着してサイズも小型化している様子)

かわむつ1(カワムツ♂)

10年前 ルアーで狙うヤマメ釣りから フライで狙うカワムツとオイカワに興味の中心が移る

なぜヤマメを釣ることの興味を失せたのか
それは至極簡単な話 釣れるそのほとんどが放流魚であるということ
解禁に合わせ放流され 殺気立ったような釣り人が押しかける川で
数日で釣りきってしまうような釣りに食傷した
それでも 釣り人の手を逃れ生き残ったヤマメが銀化したものを狙うのは愉しかったし
源流域の自然繁殖個体群は魅力的ではあったが 
そこにいる数少ない魚たちを 釣り人がとり合うような釣りも自分の愉しみとは符合しなかった
 しかし それ以上に
ワイルドに繁殖し アグレッシブにフライにアタックするカワムツやオイカワは刺激的
絶対数も多く 一日やってコンタクトが数回というストイックな釣りとは
次元の違う愉しみかたができるカワムツを含めたハヤ(雑魚)と総称されるコイ科の魚たちへは
アクセスが容易である手軽さも 釣りという行為による満たされ感を得るには都合がよかった
気軽に愉しめることから さらに テーマを作ることで奥の深さを見出してゆくことも
愉しさを高めるひとつの要素となっていた

それは 釣りの愉しさが 魚の大きさに比例しないことを実感させるに十分で
雑魚たちと戯れる愉しみは さらにその深度を増してゆく
かわむつ2(カワムツ♂婚姻色)

渓流や本流でヤマメを狙うようなフライタックルではやはりオーバーパワー
一部 マイノリティなマニアックフライマンはオイカワ用などというロッドを使っていたが
うちの近辺でオイカワやカワムツを専門に狙っているようなフライマンは稀有な存在
(そのマイノリティ感もまたアイデンティティ....)

手探りでタックルを探し 当時 カワムツがメインではあったがオイカワのファイトにも魅了され
もう アブラビレ付の魚たちは完全な外道扱いとなっていった

カワムツとオイカワのフライフィッシングを 如何に愉しむか?
そんなことを考える自分のフライフィッシングの道具立ては 
より繊細に を探し求めることになる

結果 いきついたのがBlueHeron製カスタムロッド
それは それまで使っていた既製品とは一線を画すものだった
小さな魚でも やり取りを愉しめる感のあるロッドとの出会いで
ZaccoFlyFishingへの傾倒は加速する

また雑魚たちの魅力として 産卵期を迎える初夏の釣りでは
美しさをプラスした魚たちが出迎えてくれる
子供のころにはそれを 美しい とは感じていなかった
特にオイカワのオスが呈する産卵期の風貌は 触るのをひるむものでさえあった思いがある
しかし あらためてみるそれらは 歳をとった(世界観を深めた?)自分には
何とも形容しがたい感動を伴うものとなった

近場のフィールドで手軽に愉しめるというところから
ホームとしていた川のことを知ってゆくのは比較的容易で
そうなると別の川での釣りにも興味が向く
そこで 河川による魚たちの違いを感じるようになり フィールドへのこだわりも出てくる
徒歩圏内の多摩川をはじめ 近隣の河川ではオイカワもカワムツも16㎝が最大級 
競合する人が少ない釣りなので スレていないカワムツの川をさがしたり
ブラックバスを狙っていたころの大型オイカワの記憶を頼りにフィールドを探し
一昨年はついに20㎝の壁を超え そのオイカワとは思えない弩級な魚体のファイトに魅了された


ほかに 初夏だけ愉しませてくれるハスの存在も愉しさを倍加させる
以前ルアーでこいつと遊んでいたころも愉しくはあったが
ローパワーなフライタックルでのファイトは強烈にしびれる愉しさがもたらされる

はす4ハス♂初夏のターゲット)

ローパワーのタックルは 魚をかけた後 その動きを制することが困難
めいっぱい絞り込まれ 流れの中を走る魚に翻弄される感覚に
自分は 最高の陶酔を覚えてゆく

はす3(オパールの遊色を彷彿とさせる水面反射)

しかし コイ科のこれら魚たちに共通する愉しみはやはり婚姻色なのだろう
繁殖期のオスたちが纏う婚姻色の美しさ これは 被写体として 自分をひきつけてやまない

はす2ハス♀ 産卵期の個体)

雄だけでなく ハスのメスもいぶし銀のような美しさを見せてくれるのだが

はす1(フライをくわえるハス♂)

こんな雑魚と呼ばれる魚たちとの戯れ

渓魚の美しさもそれは認められるモノ
天然といわれる渓魚たちはやはり凛とした美しさがある

だが 成魚放流を中心とした生態系と呼べない状況下での 放した魚を回収するに過ぎない釣りが
自分にとって魚たちとの一期一会の感覚を鈍らせ魅力を失ってしまったのだと気付てからは

 たくましく生き ワイルドな繁殖にその命を輝かせるこいつらとの戯れが愉しくて仕方がない

ときに そんな魚釣ってたのしい?的な意見を持つ人とも出会う

釣りという遊びには 個人の価値観が大きく影響する
だから こうでなければいけない という規定や既成概念も
愉しさを見出す枷にしかならないと自分は思う

identityとしての釣りを自分の価値観で命を感じながら愉しむこと
これが 人生の後半に突入した今の自分のスタイルなのだろう

また 今年も お気に入りのフィールドでドキドキさせてくれる魚たちとの出会いを夢見て
冬を耐える 今である





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 語りの記

 オイカワ フライ Zacco FlyFishing ハス カワムツ

4 Comments

Green Cherokee  

本当に素敵です!!

mattさん、こんにちは。
Zaccoをこよなく敬愛し、Nativeな脂鰭を愛でつつも外道とするmattさんのidentity。とても親しみを感じます。
もはや私も、Zacco Fly FishingはLife-workの一部になっています。今後もお互いに末永くZFFを愉しんでいきましょう!!

2017/02/11 (Sat) 12:29 | REPLY |   

matt  

Re: 本当に素敵です!!

今年もマニアックに突き進みますよ(笑)
アツい釣りしましょう(^^ゞ

2017/02/12 (Sun) 21:32 | REPLY |   

numassan  

mattさん
感動しました。釣りも上手いし写真も素晴らしいと思ったら語りも深かった!

2017/02/15 (Wed) 19:34 | REPLY |   

matt  

Re: タイトルなし

numassanさん
ほめていただいても何にも出ませんよ(笑)
また 一緒にフィールドへ出ましょう(^^♪


2017/02/15 (Wed) 19:56 | REPLY |   

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